魚も野菜も同時に育てられる!アクアポニックス(Aquaponics)ってなんだ?

これまで学んできたことの復習。
今回はオーストラリアのworkawayでファームステイをした時に学んだ
アクアポニックス(Aquaponics)について書いていきます。

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アクアポニックスとは

アクアポニックスとは
魚の養殖や水の中で育つ植物の栽培を意味するアクアカルチャー(Aquaculture)
土を使わずに植物を砂や小石または水のみで育てる水耕栽培と呼ばれるハイドロポニックス(Hydroponics)
融合体です。

一般的にアクアカルチャーでは、魚の成長のために水槽の水は綺麗に保ち続けなければならず、水を入れ替える、もしくは水を浄化する装置等が必要になります。

そして、ハイドロポニックス、いわゆる水耕栽培の場合も同じく、植物の成長のために水は入れ替えられる必要があります。

アクアポニックスは、このアクアカルチャーとハイドロポニックスでは廃棄される水を循環させるシステムなのです。

アクアポニックスの仕組み

アクアポニックスでは魚の泳ぐ水槽の中の水を少しずつ植物の育つベッドへ流し込みます。
これは魚の排泄物が溶けた水がパイプの中を通って植物のベッドに流れることで、ベッドに敷かれたクレイボール(粘土が固められた小さいボール状の石)に住み着くバクテリアが排泄物に含まれるアンモニアを、植物が吸収できる硝酸態窒素という形に分解することで植物がそれを吸収できるようになり、成長します。

もっと詳しく言うと、
アンモニアをニトロソモナス(亜硝酸細菌もしくはアンモニア酸化細菌ともいう)が酸化させて亜硝酸にし、その亜硝酸をニトロバクター(硝酸細菌もしくは亜硝酸酸化細菌ともいう)が酸化させて硝酸に変えるのです。

アンモニア
↓酸化 by ニトロソモナス
亜硝酸
↓酸化 by ニトロバクター
硝酸

そしてバクテリアによってアンモニアが取り除かれた後、その水はまた水槽の中に戻って循環するのです。

このアクアポニックスの循環に置いて最も重要なのがこの硝化細菌と呼ばれるニトロソモナスとニトロバクターという働き者のバクテリアはもちろんなんだけど、とそれらが棲み付くクレイボールの存在。

クレイボールは多孔質構造であるため、バクテリアが棲み付きやすくなっています。
多孔質というのは細孔が非常にたくさんあるという意味で、活性炭やゼオライトなんかも多孔質材料の1つ。
水槽を購入すると活性炭がついてきたりするのは、排泄物の溶けた水を活性炭に棲み付く硝化細菌によってアンモニアを酸化し、魚に害のない環境を作るためだったんですね!(水槽買ったことないけど)

植物の成長に必要な窒素は形を変えて生態系を循環しているわけですが、
アクアポニックスは生態系において重要な窒素循環の縮図とも言えるでしょう。

アクアポニックスのメリット

水やりが要らない

アクアポニックスでは水を循環させるだけなので、循環システムができてしまえば基本的に新たに水を加える必要がありません。
そのためか、アクアポニックスはオーストラリアなど水の少ない地域で普及が進んでいます。

化学肥料・農薬も要らない

アクアポニックスは無農薬で化学肥料を使用しません。
完全オーガニックです。
農薬あげちゃうとおさかなさん死んじゃうからね(^_^;)

勘違いされがちですが、水耕栽培いわゆるハイドロポニックスはオーガニックではありません
ハイドロポニックスは液肥ガンガン入れます。それも成長を早めるための化学肥料。

ハイドロポニックスとアクアポニックス、どちらが環境にいいかは自ずと解ると思います。

アクアポニックスのデメリット

循環が滞りなく機能するための適切量を考慮する必要がある

アクアポニックスにはたくさんのコンポーネントがあります。
水槽の水、水の流量、魚の総重量、魚の餌の量、栽培する植物の大きさや数、アンモニア、亜硝酸、硝酸の濃度などなど。
こうしたコンポーネントがどのくらいの割合でならシステムがより良く循環するのかという具体的な数値は調べたらわかるのですが、実際に作ってみると難しいです。
システムが機能しないと魚が死んでしまったり植物が枯れてしまったり…
なぜ魚が死んでしまうのか、適宜原因を調査し、改善していく必要があります。

しかし一度システムの循環がうまくいけば、あとは微調整のみで済み、
植物もグングン育ちます。

エアレーションのための電気が必要

水は循環させるので新たに加える必要はありませんが、水槽のエアレータ用に電気は必要です。

魚のエサやりが必要

栽培した植物を収穫することをアウトプットと考えると、当然インプットも必要になってきます。
アクアポニックスでのインプットは魚のエサ。
エサもやり過ぎてはいけないし、足りなくてもいけません。
硝化細菌が扱えるだけの量のアンモニアを含む排泄物を魚が出す必要があります。
エサの適切量がわかってきたら自動エサやり器を使うのも1つの方法ですね。

定期的なメンテナンスが必要

水質の検査は最初の数カ月間に置いては少なくとも週1回は実施することが推奨されています。
水質以外にも、循環の過程で水量が減ってくることもあるので水かさが減ってきたと思ったら必要の高さまで水を足します。
水槽の底に固形物が溜まってきたら清掃をする必要もあります。

植物においても2週間に1回は植物の根が健康であり、クレイボール意外に固形物が絡んていないことを確認します。

まとめ

アクアポニックスは最初、循環がしっかり機能するまでに時間もコストもかかりますが、一度できてしまえば植物がグングン育っていきます。

日本はわりと水資源が豊富なので、商用生産のための普及はそこまで進まないんじゃないかという気がしますが、
生態系の窒素循環を理解するにはとても良いと思いました。
砂漠化の進んでいる地域や、食糧生産が難しい地域で今後アクアポニックスはもっと普及していくのではないかと思います。

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