【ノンフィクション】シリア人と乞食
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【ノンフィクション】シリア人と乞食

こんにちは!
最近、部屋の中も頭の中もカオスなChihiroです(@_@ )( @_@)

ちょっと今回は小ネタ的なノンフィクションです。
個人的にはこの経験で学ぶことがたくさんあったので
いつものブログ調とは異なりますが、シェアしたいと思います(/・ω・)/

先日、家を出る時に乞食に遭遇した。
ハウスメイトが捨てた大きなスーツケースを開けて
服を漁っているところ、ばっちり乞食と目が合う。

動作で何やら服を持っていくということと、
何か食べるものをくれと言っていることはわかったものの、
何も食べ物を持ち合わせていなかったため
私はそそくさをその場を立ち去り・・・(;・∀・)

そのスーツケースの持ち主は
数少ない私が会話するハウスメイトの1人。なんとシリア人。

最初にそのシリア人の彼を見た時は欧米系かと思い、
喋り方からしてフランス人かと思っていたw
9月末からハンガリーの大学で修士課程を専攻することになったらしく、
その日の翌日にマレーシアを立つ予定だった。

ちょうどその日に彼と一緒に夕飯に行く予定だったので、
スーツケースのことを聞いてみた。

その彼曰く、ハンガリーは涼しくマレーシアの夏服は
要らないから捨てたとのこと。

乞食のことを気にも留めていないようだった。

それもそうだ。彼はやっとマレーシアから抜け出せるのだ。

彼にとってマレーシアは自分で選んだ国ではなかった。

以前彼は私になぜマレーシアに来たかと聞いたことがあった。
もちろん答えはドリアンなのだがw
私が聞き返した時に彼はこう答えた。

「No Choice」

聞いた時は全く意味が分からなかったが、
今なら分かる。

彼は難民の1人だったのだ。

祖国を出なければならない。
けど受け入れてくれる国はほとんどない。
そんな中でマレーシアは唯一、シリア難民を受け入れた国だった。
「マレーシアは」、というより「ナジブが」w

2015年末にナジブがシリア難民3000人の受け入れを表明したことを
後で調べて知った。

彼は何の当てもなく、仕方なしにマレーシアに来た。
マレーシアに来てから自分で仕事を探した。
他国に来たシリア人は大抵親の援助を受けることが多いらしいが、
その彼は親に頼ることもなく生活していた。

給料はマレーシアのアルバイトの平均程度だったが、
あまり贅沢をしない彼は、もらいすぎると使ってしまうから
それで十分と言っていた。

夕飯に向かう道中、
彼と話をしているなかで衝撃的に驚いたことがあった。

それは・・・

彼はローカルフードを全く食べたことがないということ。

マレーシアに3年間も住んでいて、現地の友人もできて、
全くローカル食を食べないなんてことができるのであろうか。

1度だけ、マクドナルドのナシレマを食べたことはあるらしい。
美味しかったと言っていたがw
じゃぁこれまで何食べてたの、と聞くとなんと答えは・・・

KFCwww

家の前のごみ箱に毎日のように捨てられているKFCの箱は
彼が捨てたものだった。一気にここで謎が解けたw
いったい誰がこんな頻繁にKFCを食べているのかと思ってはいたけど(;・∀・)

他は簡単な自炊と、たまに中東料理を食べるくらい。

その日はせっかく最後の晩餐だから
美味しいマレーシア料理でもご馳走しようかと思ったけれど、
なんとなく彼は中東料理を私に食べて欲しそうに見えたので、
フードコートの中東料理をいただくことに。
個人的に中東料理は大好きなので大歓迎だ。

食事中に、彼は営業の秘訣を教えてくれた。
最初にエスニック系のお店で働いていた彼は、
客が店にいない時も、ひたすらスマホを使ってとあることを行っていた。

それはなんと、、、
これまで来てくれたお客さんにコンタクトを取ること。

1度に160~170人とコンタクトを取ることもあったそうな。

この話が私的にはとても印象深かった。
一番自分が苦手と思っていることだからなおさらだ。

話を聞いていると、彼はよく1人で部屋でAtlantというビールを飲みながら
映画を観るのが好きとのことだったので、軽く酒を買って帰宅した。
私は定番のSomersby、そして彼は16%のビールの大きい缶。

彼は酒を飲みながら歴史や政治の話をするのが好きなようだった。
バルコニーでシリアの写真を見せてくれた。
最も印象深かったのは石油を求めて行列ができている光景だった。

シリアではガソリンが入手困難な状況にあることを教えてくれた。
日本人の自分からしたらまったく想像できない世界だった。
マレーシアの断水なんて比べ物にならないくらい。
ピックアップカーにバイクを載せてガソリンを調達するのが
効率の良い方法だと、写真を見せてくれた。別世界の知恵袋。

もっと早く仲良くなっていればもっといろんな話ができたのになぁ。
彼はそう言ってくれた。まったく同感だ。
自分が想像できない世界の話をもっと聞きたかったなぁと思うと悔しさがこみ上げる。

彼は「運命は変えられない」と悲観的な考え方を持っていた。
確かに情勢に振り回されるシリアの生活を想像すると、
そういう考え方を持つのも仕方がないような気もする。

しかし彼は自分で道を切り開き、ハンガリーへの留学という道を見つけた。
MCO期間中に入念に準備して政府からの助成金も下りることになったのだ。
彼はとても賢い。運命を変えていると感じるのは自分だけだろうか。

彼は自分のことをrefugeeとは言わなかったし、実際、
船に乗って流れ着いてくるような難民のイメージからはほど遠い存在だ。
まさかあの乞食も難民の服をもらっているとは思わなかっただろう。

社会や政治が一気に身近に感じられた1日だった。

P.S.
彼は私にチョコパンをくれた。要らなくなるポットやハンガーなんかもくれた。
私はお返しにフルーツとスナックを用意したが、彼は受け取ってくれなかった。

受け取ってくれなかったのが悔しい。
けど次回また会う理由ができた。そういうことだよね?

出逢いに感謝。

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